園の絵本コーナーには300冊を超える絵本があります。昔話からベストセラー、新刊、図鑑、とジャンルは様々です。
数年前に福音館で職員研修をしていただいたことがあります。1冊が完成するまでに何年もかかることや、作者や編集者の方の絵本に対する思いがとても勉強になりました。私が学生の頃、福音館の松居先生に「スイミー」のお話を伺ったことがあります。

スイミーという小さな魚のお話です。スイミーが赤い魚と力を合わせることの大切さが印象に残るように思いますが、スイミーがひとりで広い海を泳ぎいろいろな生き物と出会えた素晴らしい世界、ひとりで海を冒険することの勇気をもらえる物語であると松居先生はお話しされていました。絵本は読み終えてから説明しないのがルールなので、子どもたちに余計な説明はしませんが、何かを子どもたちに伝えたいとき、絵本はそっと心に寄り添い大きな力になってくれます。

子ども時代の想像力は絵本から育まれると私は信じています。こんなことを言われたらいやだよな?大変そうだから手伝ってあげようかな?という気持ちも想像力です。動画や映像は次々と場面が変わってしまいますが、絵本はじっと絵を見つめながら想像し、読み手の声、ページをめくる音さえも心地よく感じられます。

夏休みが明けて沢山の冒険をしてきた子どもたちへ お母さんのもとからひとりで幼稚園に来るってすごいよ!とメッセージを込めて読み聞かせをしたい絵本です。